食物アレルギー 学校での正しい理解と備え
食物アレルギーは、誤った認識や対応の遅れが命に関わることもある重大な健康課題です。養護教諭や教職員が正しく理解し、迅速・的確に対応できる体制づくりが求められます。
食物アレルギーとは?
特定の食品を摂取することで、免疫反応が過剰に働き、さまざまな症状を引き起こす疾患です。皮膚症状(じんましん・かゆみ)、消化器症状(腹痛・嘔吐)、呼吸器症状(咳・喘鳴・呼吸困難)などがみられ、重症化するとアナフィラキシーを起こし、命に関わる危険性があります。
食物アレルギーの原因となる食物
食物アレルギーの原因となる食品は多岐にわたります。その中でも、発症頻度が高く、重篤な症状を引き起こしやすいものは「特定原材料」として表示が義務付けられています。
特定原材料(表示義務:7品目)
・卵
・乳
・小麦
・えび
・かに
・そば
・落花生(ピーナッツ)
※このほかにも表示が推奨されている特定原材料に準ずる21品目(くるみ、大豆、バナナ、りんご、ゼラチンなど)があります。
食物アレルギーの原因食物に関する統計
新規発症原因食物:乳児期は卵・乳・小麦が多く、成長とともにナッツや果物、甲殻類なども増加。

年齢別原因食物の粗集計:食物アレルギー全体では、卵・乳・小麦が依然として多くを占めます。

アナフラキシーとは?
主な症状
・皮膚症状:じんましん、かゆみ、顔面蒼白、紅潮
・呼吸器症状:息苦しさ、咳、声枯れ、喘鳴
・消化器症状:吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
・神経、循環器症状:意識の混濁、血圧低下、ぐったりする
※これらの複数の症状が急速に同時に出現した場合、アナフィラキシーが疑われます。
アナフィラキシーショック時の対応
・状態の確認、応援要請
・エピペンを速やかに使用(処方されている場合)
・必要に応じてAEDを準備
・119番通報・救急要請
・記録(症状の時間経過、エピペンの使用時刻、内服薬の有無等)
エピペンの使い方(自己注射式アドレナリン製剤)
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使用対象:処方された本人(必要時、教職員も使用可)
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保管:15〜30℃、直射日光・高温を避けてケースに入れて保管
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使用方法:
① 安全キャップ(青)を外す
② オレンジ色の注射部位を太ももの前外側に垂直に押し当てる(衣服の上からでも可)
③ カチッという音がしたら、そのまま数秒間押し続ける
④ 使用後は、針部分が隠れるようになっていること(オレンジのニードルカバーの確認)
⑤ 速やかに救急搬送・報告を行う
学校における対応の基本
- アレルギー疾患生活管理指導表の提出
- 学校全体の連携体制の構築
- 児童生徒への日常的な支援
保健指導の目標
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原因となる食物を含む食品を避けることができる
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学校生活における注意点を理解し、行動に移せる
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症状が出たときに、速やかに大人に知らせることができる
保健指導の方針
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学校生活管理指導表に基づいて、給食や緊急対応の取り組みを保護者と協議・共有する
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アレルギー反応を起こさないよう、予防的な生活習慣や場面別の注意点を指導する
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児童生徒が自分のアレルギーについて理解し、自ら予防・対応できるようにする
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発達段階に応じた指導と、心理的な支援を行う
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エピペンやAEDなど、緊急対応に関する教育も行う
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学校内での情報共有を徹底し、教職員全体で対応できる体制を整える
まとめ
食物アレルギーのある児童生徒が安心して学校生活を送るためには、予防・早期対応・命を守る知識が必要です。本人だけでなく、周囲の理解と協力が事故を防ぐ力になります。
参考文献
エピペン公式ガイドブック
https://www.epipen.jp/download/EPI_guidebook_j.pdf
令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書
食物アレルギーの診療の手引き2023
https://www.foodallergy.jp/wp-content/uploads/2024/04/FAmanual2023.pdf