麻疹(はしか)の正しい知識と対応
今回は、感染力が非常に強く、学校現場でも注意が必要な「麻疹(はしか)」についてまとめます。
麻疹とは?
麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。非常に感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染のいずれでも感染するため、集団生活を送る学校では迅速な対応が必要です。
現在は予防接種の普及により日本国内での発症例は減っていますが、海外からの輸入例やワクチン未接種者の感染例が報告されており、注意喚起が続いています。
主な症状と経過

麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、以下の特徴があります。
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空気感染が可能(マスク・手洗いだけでは不十分)
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カタル期(発症初期)から発疹期までが特に感染力が強い
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免疫がない人が感染した場合、ほぼ100%発症する
そのため、予防接種(定期接種2回)を受けることが最も有効な予防策です。
治療と予防
治療
麻疹には特効薬はなく、対症療法が中心です(解熱、水分補給、合併症予防など)。肺炎や脳炎などの重篤な合併症を防ぐためにも、安静と適切な看護が重要です。
予防
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予防接種(MRワクチン:麻疹・風疹混合)
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定期接種は1歳と小学校入学前(5〜6歳)に実施
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接種率は95%以上が望ましい(集団免疫のため)
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学校における対応と出席停止基準
文部科学省が定める「学校保健安全法施行規則」において、麻疹は「第二種感染症」に分類され、出席停止の措置が必要です。
出席停止の期間(基準)
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解熱した後3日を経過するまで出席停止
※発症後は速やかに医療機関を受診し、診断と登校許可を得る必要があります。
学校での対応ポイント
・発熱・咳・発疹などの症状が見られる児童生徒には、速やかに保健室で隔離対応を行う。
・教職員は麻疹が疑われる場合、本人の健康観察とともに、周囲への感染拡大を防ぐための対応を徹底する。
・関係者・関係機関(校医・保健所等)へ速やかに連絡を取り、対応を協議する。
・児童生徒および保護者へ、症状・感染経路・予防接種などに関する正確な情報を提供する。
・児童生徒の出席停止措置や、必要に応じて学級閉鎖・休校措置の判断を行う。
・麻疹患者との接触者のうち、ワクチン未接種や免疫不明の者に対しては、「曝露後72時間以内のワクチン接種(MRワクチン)」を検討する。
・感染拡大を防ぐために、学校内での検温や健康観察を継続的に実施する。
・終息宣言の目安:「最後の麻疹患者と児童生徒及び職員との最終接触日から、4週間新たな麻疹患者が見られないこと」とする。
保健指導の目標と方針
保健指導の目標(感染症)
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かかった感染症について正しい知識を身につけ、早く回復するために自分でできる行動が取れるようになる
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自分が他者にうつさないように、感染を広げないための配慮や行動ができるようになる
保健指導の方針(感染症)
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児童生徒が早期回復に向けて生活や健康面で自分にできることを理解し、実践できるように支援する
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周囲への感染を防ぐため、学校や家庭での過ごし方や配慮について具体的に指導する
まとめ
麻疹は感染力が非常に強く、学校生活に大きな影響を及ぼす感染症です。発熱・咳・発疹など風邪に似た症状から始まりますが、カタル期から強い感染力を持ち、特にコプリック斑は診断の手がかりになります。
予防の基本はワクチンの確実な接種です。万が一感染が疑われた場合は、早めに医療機関を受診し、出席停止の基準に沿って対応することが重要です。
参考文献
厚生労働省『学校等における麻しん対策について』(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/080410a.pdf
感染症情報センター(日本感染症情報センター)「麻しんQ&A:感染経路と予防接種について」
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/measles/040/measles-qa04.html#q4_01