インフルエンザ 学校での対応と予防 感染症編
今回は、インフルエンザ流行期における養護教諭の対応について一緒に学んでいきます。
養護教諭として、インフルエンザの予防や感染拡大防止に向けた指導は大切な役割の一つです。また、教員採用試験の二次試験(模擬指導)などでも、流行予防策や生徒指導、教職員向けの講習について問われることがあるようです。
試験対策としても、実際の現場をイメージする上でも役立つように、具体的な対応を整理していきます。
インフルエンザとは
インフルエンザは、急激に発症する発熱や全身症状が特徴的な感染症です。流行は12月から3月が中心で、症状としては38度以上の発熱や咳、筋肉痛、関節痛などが見られます。風邪との違いは発症の急激さです。
生徒への保健指導
インフルエンザの予防には、飛沫感染や接触感染を防ぐことが重要です。養護教諭としては、生徒に手洗いや咳エチケットを徹底させ、正しい予防習慣を身につけさせることが求められます。
実施する方法としては、保健だよりの配布、保健委員会を通じた指導、朝の健康観察時や学級活動での短時間指導などがあります。
予防のための基本的な習慣
・こまめな手洗いうがいの励行
正しい手の洗い方の周知
1.流水で濡らしたあと、石鹸をつけ手のひらでよくこする
2.指先・爪の間をこする
3.親指とてのひらを洗う
4.手の甲を洗う
5.指の間を洗う
6.手首を洗う
・咳エチケット(マスク着用、袖やティッシュで口を覆う)
くしゃみや咳の飛沫は、1メートルから2メートルも飛びます。
・規則正しい生活(十分な睡眠・栄養摂取・適度な運動)
規則正しい生活は、体の抵抗力を高めます。
流行時の注意点
・家庭内で感染者が出た場合の対応
インフルエンザは、発症から3日目までの期間が特にウイルスの排出量が高く、感染の拡大を防ぐことが、重要です。予防のための基本的な習慣と共に、ドアノブやスイッチなどのエタノールでの消毒、加湿、感染者の部屋の換気などを行います。
・出席停止期間の周知(発症後5日経過かつ解熱後2日〔幼児は3日〕が経過するまで)
教員向けの講習
教員にもインフルエンザの基礎知識を周知し、感染拡大防止のための対応策を共有します。職員会議や情報共有メールを通じて、教職員が協力し合う体制を作ることが大切です。
ワクチンの重要性
インフルエンザワクチンは、発症の予防や重症化を防ぐための重要な手段です。2025年4月時点では、以下の2種類のワクチンがあります。
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不活化ワクチン(皮下注射)
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弱毒化生ワクチン(鼻腔内噴霧)
通常使用されるのは不活化ワクチンで、接種方法や回数には年齢によって違いがあります。
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13歳未満:2回接種(一定の間隔を空けて)
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13歳以上:1回接種
接種の有無や時期については、本人や保護者、かかりつけ医と相談して決定します。
ワクチンの効果は接種してからすぐには現れず、抗体がつくられるまでにおよそ2週間かかるとされています。そのため、流行の時期に合わせて早めの接種が望ましいです。
効果の持続期間はおおよそ3か月程度とされており、毎年の接種が必要です。
学校内での感染拡大防止策
・清掃・消毒の適切な方法
インフルエンザウイルスは、モノの表面に付着した状態でも2~8時間程度は感染力を保つといわれています。そのため、児童生徒が頻繁に触れる場所(ドアノブ、スイッチ、机、手すりなど)は消毒が必要です。
・加熱消毒:80度で10分以上
・塩素系消毒液:清潔なタオルなどを浸してふき取り、0分後に水拭きを行います。
・アルコール(70%以上):布やペーパータオルなどに十分に含ませて拭き、自然乾燥させます。
※食器や調理器具は、通常の洗剤を使って洗浄すれば問題ないとされています。
・共有物(タブレット、図書など)の管理方法
使用前後の手洗いや手指消毒を徹底して、消毒の難しい物品は、使用の制限や持ち帰りの中止などを検討する。
・休み時間の換気の徹底
教室内の定期的な換気(1時間に1~2回が目安)を行います。対角線上の窓や扉を開けるじちで効率的な空気の流れを作ります。暖房を使用している場合でも、短時間でもこまめに空気を入れ替えることが大切です。
生徒対応のポイント
・体調不良の児童生徒の早期発見(健康観察の強化)
朝の健康観察時に、発熱・咳・倦怠感などの有無を確認します。なんとなく元気がないといった児童にも注意を払います。
・休み明けの生徒の健康確認
インフルエンザによる出席定期明けには、学校医や医師の意見書・保護者からの報告をもとに対応します。体力が回復しているか、無理をしていないか様子も確認する。
・出席停止期間の基準の確認、適切な指導
インフルエンザは、発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで出席停止です。基準をしっかり把握し、生徒や保護者へ丁寧に説明できるようにしておきます。

まとめ
インフルエンザ流行期における養護教諭の役割は、生徒の健康を守り、感染拡大を防ぐための予防指導や対応策の実施です。予防策としては、手洗いや咳エチケットの徹底、規則正しい生活習慣の指導が基本となります。さらに、教員同士の情報共有や連携を強化し、学校全体で感染拡大防止に努めることが大切です。
参考文献
医療用医薬品 : インフルエンザHAワクチン (インフルエンザHAワクチン「生研」)